熊本地震支援活動報告

 

2016年4月14日、16日 熊本・大分を巨大地震が襲いました。

被災地の方々には生活のための物資が必要になりますが、震災直後は熊本宛の荷物の集配がストップしていました。

そこで、宮崎県北部、熊本との県境で活動するNPO法人五ヶ瀬自然学校が一般社団法人RQ災害教育センターから命を受け、RQ九州として支援物資の受付、被災地への輸送を始めます。

五ヶ瀬町は南阿蘇まで車で40分という立地にありながら宮崎県に属しており、宅急便が受け付けられます。地震の被害も熊本ほどはありませんでした。

自然学校界隈のアウトドア集団は自然災害にも強い。普段の経験やネットワークを活かして最前線で活躍することができます。

「非常事態が発生したとき、人間が生き延びるのに必要な物はなにか?」

「この場所は作業しても問題内だろうか?この道は通れるか?」

力仕事が得意なのはもちろんのこと、各々の判断能力が高く協調性に富んでいます。

4月16日、NPO法人五ヶ瀬自然学校を中心に有志が集まり炊き出しや物資の支援を開始。

支援に集まったのは普段から熊本、もしくは熊本近くの地域で活動している人間ばかり。

・信頼できる人からの連絡で動く。

・行政や他からの支援が受けられていないところだけ手助けする。

この二つの方針を軸に動き始めます。

私たちは被災者との直接のつながり、土地勘を活かしてすぐさま現地のニーズ調査に入りました。朝から晩まで公営の避難所、自主避難している方々のもとを訪れて必要なものを聞いて回ります。必要な物資はすぐにHPにアップして募りました。ありがたいことに、すぐに大量の物資が集まりました。

物資は仕分けして直接被災された方へ届けますが、前日に必要と聞いていた物資が次の日には「必要ない、受け取れない」と言われることも多々ありました。

例を挙げれば「ノロウイルスが発生して野菜は受け取れなくなった」などといった理由によるものです。その場合は不要な物資を押し付けるようなことはせず、本部まで持ち帰ります。一度は受け取ったが実際には必要なかった、という場合も同じく持ち帰りました。

また、炊き出しが婦人会の負担になっていると聞けば協力に向かいました。食材を置いてくるだけでは投げっぱなし、やりっ放しになると考えたからです。キャンプで培った料理の経験もあります。

ニーズに根ざした物的支援を5月の中旬ごろまで続け、被災者の方へ届けることの出来た物資は合計で4トントラック約10台分にまで及びました。

内訳は食料品が2560箱、お米が2872kg、野菜類が57箱にその他お菓子や生活用品などです。

4月末からは物的支援と平行して人的支援も行なっています。引越しのお手伝いから屋根のブルーシート張り、散らかった家の整理、ゴミの運搬、木製テント建てまで要望があればなんでもやりました。

これもやはり、危険家屋と判断されて行政のボランティアが立ち入れない所のお手伝いが中心です。

6月からは農業のボランティアを中心に行なっています。熊本は広大な平野が自慢の県。農業で生計を立てている方も多く、その規模も大きい。通常時ですら家族だけでは手一杯で、シルバー人材を利用されている農家さんが多いのです。地震の被害に遭って対応に追われる中、頼みの綱のシルバー人材も使えなくなったとなれば、家族だけで農作業が賄えるはずありません。作物収穫が遅れると商品価値を失うどころか、来季の作物に取り掛かることも出来なくなります。しかも、一般のボランティアは農業支援を受け付けていません。ボランティアが利益に繋がる支援をしてもいいのか、といった見方によるものです。私たちはフットワークの軽い民間団体。そういったしがらみに左右されず自由に動けます。

「一命は取りとめたしライフラインは整った」すばらしい事です。しかし、それだけでは「いつもどおり」とは言えません。収入が無ければ生きていくのは困難だからです。被災された農家さんが1日でも早く元の生活を取り戻すことが出来るよう、9月いっぱいまで支援を続けていく予定です。

農業ボランティアの他にも民間団体ならではの支援に取り組んでいます。西原村に「にしはらたんぽぽハウス」という障害者自立支援施設があります。農産物の生産および加工を行っている団体なのですが、商品の売り先である道の駅が被災してしまい、製造したレトルトカレーや羊羹が行き場を失ったのです。そこで、五ヶ瀬自然学校はたんぽぽハウスの商品を請け負い、代理で販売することにしました。はじめはネットショップ販売のみでしたが、繋がりを生かして各地の物販イベント、復興支援ショップまで売り先を拡張することができました。

商品も当初はたんぽぽハウスのものだけでしたが、益城のお茶、山都町のパン屋さん、農家さん手作りのかりんとう等々商品のラインナップも増えてきています。商品の販路を作り、収入面での安心を感じてもらうのも民間団体ならではの取り組みです。また、長期的に商品を卸せる場所が見つかれば、復興後も熊本の商品を広く知ってもらうことができます。

行政や他の支援団体と比べると規模も小さいですし、できることも限られています。それでも手が届く範囲で、支援から溢れた人たちに次に繋がるお手伝いを続けていきます。

【6月以降の活動はこちらで報告しています】
RQ九州 五ヶ瀬ボランティアセンター活動報告